no.6/ TEAM GEORGIE PIEのみち
La Vida Tour 2003 - spring
 其の1

 
 
3月8日

関越自動車道から高崎JCTを経て、北関東自動車道へ入る。左手には山頂部に雲をかぶった赤城山がそびえている。今日は風が強いせいか景色がきれいに見える。しかしこの強風が運転している犬ちゃんにはやっかいであるらしく、怖がったり、文句を言うことしきりだ。「犬ちゃん」こと犬塚氏は今回もマサシのギター・テクニシャンとして同行をお願いした。その腕前もさることながら、彼の抜群のユーモアセンスをあわせて、今のTEAM GEORGIE PIEには不可欠な存在である。
今日我々が目指しているのは、群馬県大間々町にある「Figaro」。7ヵ所・10日間にわたる「La Vida Tour 2003 - spring」の初日の場所である。「大間々町」という所を私は全く知らなかった。が、出発の何日か前に友人から電話があり、自分は大間々町の近所の生まれだと言ってきた。どんな所か聞いてみたところ「何にもないよ。ライブハウスなんてあったんだ」と、全く有り難くない情報を教えられてしまった。
そもそもこのライブは常日頃お世話になっている「TOOL BOX」のM氏とFigaroのK氏が「GEORGIE PIEをまだ知らない人達に見せなければいけないっ!」と意気投合して、実現することとなった。そればかりか地元のCD店、楽器店をまわって宣伝までしてくれた。このときマサシとマネージャーと犬ちゃんも同行したのだが楽器店でみんなが挨拶をしているときにマサシは一人キーボードにむかって『I Believe』を弾いていたらしい。なんてヤツだ! しかしそんなマサシも一軒のおいしい焼鳥屋と打ち上げで使えそうな居酒屋はちゃんと発見して下見としての任務は果たしていた。また別の日にはマサシは地元のバンドと2、3曲セッションをして宣伝活動にも従事した。
やがて二度も下見に来たのに、なぜかおぼろげな記憶しかもたない犬ちゃんの運転する車は、Figaroに到着。少々遅刻だ。FigaroのK氏、対バンの皆さんに挨拶をして早速リハーサルにとりかかる。少々勝手が違うステージの為か、リハーサルに手間取る。予定時間を過ぎても、なかなかしっくりこない。この後対バンのリハーサルもあるので、時計を見ながらマネージャーは心配顔だ。というよりも半分キレ顔と言った方が正しい。しかしマサシは中途半端でやめることは絶対しない。自分が納得いく音になるまでは決してやめない。時間オーバーは悪いことだが、人様からお金を頂いて演奏する以上は、完璧な状態を見せなければならないという、彼のプロ根性は見習うべき物がある。ようやく音も決まってきた頃『手紙』に新しく入れたハモリのコーラスを演ってみる。もちろん私が歌うわけだが、これがマネージャーの眉間のシワをさらに深くすることになり、リハーサル終了。次のバンドのリハーサルの爆音にまぎれて、楽屋でハモリの練習をする。ここでは上手くできる。結局本番は自信があったら歌うという非常に曖昧な結論に達して、練習終了。本番までの間に下見の成果である焼鳥屋へ直行した。丁寧に炭で焼かれた焼き鳥もさることながら、裏メニューのラーメンも絶品である。
Figaro初日は次にはずみをつける為にも、是非とも成功させたい。お客さんの入りは上々だ。ステージで準備している間FigaroのK氏が、私たちを紹介してくれた。しかし、このK氏、どうも人の名前をよく間違える。「原マサシ」と「梅沢秀行」は覚えていたが、私はこの日「貝ノ瀬さん」としてステージに立った。まぁ、別にどうと言うこともないが。『Messin' with the kid』から始まったライブはかなり盛り上がり、途中まで寝ていたTOOL BOXのM氏が起きるやいなや大声で「イェ〜イ」と叫んで立ち上がった頃から最高潮の盛り上がりを見せた。
初日は大成功。下見の成果その2の居酒屋で対バン、スタッフの皆さんで打ち上げだ。ここでK氏はマサシのことを「タカシ」だったか、そんな名前で呼んでいた。愉快な人である。ちなみに私は『手紙』のコーラスを歌った。完璧だったと本人は思っている。

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